2009年07月05日

7月4日の猟盤

 先週末は自転車イベントに参加のため猟盤はできなかった。そこで、この日久々に猟盤に行ってみるかと思う。とはいっても、この日は午後の半ばくらいまで勉強をしていたので、午後3時過ぎくらいから出かける。あまり時間がないので、この日はディスクユニオンお茶の水ジャズ館に行ってみる。

【いもや】

 ちょうどそのころ腹が減っていた。お茶の水近辺で食事をするとなると、何が何でもいもやという感じである。この日も午後4時ころいもやに行ってみる。
 最初3人くらいしか客がいなくてこの時間だと結構空いているなぁと思いながら店に入るが、その後次々と客が入ってきてあっという間に8席のカウンター席しかない店は満席となる。どうも何というか私が店に入ると次から次へと客が入ってくることが多い。招き猫か俺は。
 それはそれとしてこの日も例によっててんぷら定食を頼む。するといつもは大根の葉のてんぷらがついているところ、この日はいんげんのてんぷらがついていた。なかなか珍しい。当然のことながら、いつものようにてんぷら定食はおいしかった。650円で摂ることのできる食事としては日本で最高のものであろう。

【ディスクユニオンお茶の水ジャズ館】

 いもやでおなかいっぱいになってから、ディスクユニオンお茶の水ジャズ館へと向かう。いもやからそこに向かうには一度坂を上って山の上ホテルを通り過ぎ、そこから坂を下りていく。この近辺、狭い面積の間に微妙な起伏があって何とも味わい深い地形である。

 ディスクユニオンお茶の水ジャズ館の、まずは中古CDフロアに行ってみる。この日休日のせいかまぁまぁの客の入りか。30平米位の感じの店の中に、6人くらいの客がいる。ブラブラとCDを見てみる。
 相変わらず再発がなされたり、未だに販売がなされたものを、「廃盤CD」と称して売っている。たとえば、Elvin Jones "Live at the Lighthouse"の紙ジャケ盤を1万円以上の値段で売っていたりする。最近これは完全盤で再発されており、そこまでの値段をつけて売るかなぁという感じである。かつて5000円以上の値段をつけていたが今では1600円程度で売っている"Zoot Sims on Ducretet Thomson"と同じような運命をたどるのであろう。
 チャーリーパーカーのロイヤルルースト・ライブ・レコーディングのうち、vol.1〜4のうち、私がvol.3まで買い、唯一買い残しておいたvol.4がついに売れたようである。もっとも、売れたのはプラジャケのもので、紙ジャケのそれはいまだに売れ残っている。この手のものはいつでも手に入るので、またの機会にvol.4を購入するかと思う。その他特に興味のある品はないので、この日中古CDをここでは買わない。

 2階の中古CDフロアを後にして、3階の新品CDフロアをみる。実はこの日の目当ては中古CDでなく新品CDの方である。具体的にはElla Mae Morse "The Morse Code"である。LP Time Recorodsから出ているものである。これは寺島靖国氏の本に紹介されている作品で、ちょっと興味はあったものの今までCD化はされていなかった。
 それにしてもこのような作品までCD化するとはLP Time Records恐るべし。以前から主張しているところだが、このレーベル、日本人のジャズ・オヤジの懐を狙っているか、または社長の趣味で出しているかとしか思えない。
 ジャズCDの通信販売のvento azulには7月5日入荷ということだったので、ディスクユニオンお茶の水ジャズ館に入っているかどうか若干不安ではあったが、そこの3階の新品CDフロアに行ってみると入荷しているのがすぐにわかって安心した。新品CDなので、中古希少CDのような緊迫した取得は不要である。見つけてからせいぜい0.01秒くらいで取得すれば足りる。
このLP Time RecordsのCDは高い。2720円であった。この手のCDはバカ売れするというものではないので、この値段もやむをえないか。

 新品CD新入荷のコーナーを見ると、Hank Jones "'Bop Redux"が販売している。先日Hank Jonesのライブをブルーノートに家内と見に行ってHank Jonesの作品を何か欲しいと思ったところだったので、ちょうどいいやと思ってこれも買うことにする。

 上記2枚のCDの代金が5020円であった。ディスクユニオンでは昨日から、5000円以上の買い上げでグラスを貰えるセールをやっている。サヒブ・ヒハブ「サヒブズ・ジャズ・パーティー」と、「レナード・フェザー・プレゼンツ・バップ」のいずれかのジャケットをあしらったグラスである。私はサヒブ・ヒハブの方の柄を貰った。

【ディスクユニオン神保町】

 2枚CDを買ったので、さぁこれで帰ろうかと思い、神保町駅に向かったが、途中ハッと思い立ち、ディスクユニオン神保町にもよってみようかと思う。ディスクユニオン神保町店2階にジャズの中古CDが売っていて、ここの品ぞろえもそこそこ侮れないので、時折寄ってみる。

 特に何かを期待して探しているわけでもなくブラブラと棚を見ていると、Keith Jarrettの棚に"My Song"が陳列してある。ちょうど山帽子さんのブログに、沖縄に行った際にそこでのCD屋で、山帽子さんがかつて愛聴していたこの作品に偶然遭遇して買っていった話が脳裏をよぎり、つい買ってしまうことにしてしまった。値段も1050円と決して悪くない。

 さらに続けて棚をぶらぶらと見ていると、Charlie Parker "Royal Roost Live Recordings on Savoy vol.4"が売っているのをみつける。この作品、この日ディスクユニオンお茶の水ジャズ館でついに売れてしまっているのがわかって、「まぁそのうちこの作品と出合うこともあるだろう」とつい先ほどまで思っていたところ、その作品にさっそくばったりと遭遇したわけである。値段もディスクユニオンお茶の水ジャズ館で売っていたのと同じ840円である。これも何かの縁かなぁと思い、この作品も買っていくことにする。

 この日久々の猟盤で結構散財してしまった感があるが、なかなか充実した猟盤をすることができた。そういうわけで、この日も満足して帰宅の途につく。

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2009年06月26日

6月23日の猟盤

 6月23日、私が欲しいと思っていたCDが何枚か出るので、猟盤に出かける。厳密に言うとそれらは6月24日が発売日になっているのだが、通常でかいCD屋ではその1日前に入荷・販売することが習わしになっているのである。

 そういうわけで、この日は中古盤はどうでもよく、新品CDが猟盤の目的である。そのため、かなりの散財を覚悟しなければならない。職場から一番近く、かつ一番確実に狙いのCDを取得できる場所は渋谷である。銀座も職場からさほど遠くなく、いくつかCD屋はある。しかし、銀座はHMVが全く当てにならないし、当てになる山野楽器も、時折狙いの品が売り切れていることがあって安定性に欠ける。そこで、渋谷に出かける。

 この日の狙いのCDは、まずJazz the Best Japan Jazz Historyシリーズの作品である。この日発売されるもののうち、武田和命"Gentle November"と、宮沢昭"My Piccolo"が狙いである。さらにそのシリーズでは、先月発売された益田幹夫"Trace"も狙いである。ジャズ関係では、まずこの3枚が狙いである。

 ジャズ関係で次に狙いなのは、Barney Wilen "Sanctuary"である。この作品、サックス・ギター・ベースという編成がなかなか渋い。さらにIDAのBarney Wilenは現在廃盤中でおいそれとは入手できない。IDAのCDを販売していたアルファレコードも消滅してしまった。そのため、これを入手できるチャンスは限定されている。そういうわけで、これも売っていたら購入することにする。

 これらのマニアックなCDを必ずそろえているのは、渋谷においてはディスクユニオンを置いて他にはないであろう。そこで、まずはディスクユニオンに赴く。

 渋谷のディスクユニオンのジャズCD売場では、CDだけでなくレコードも売っており、しかもR&BのCD・レコード売り場でもある。したがってとても狭く、新品ジャズCDを置くスペースが狭い。しかし、狭いなら狭いなりになかなかの品ぞろえはある。この日渋谷ディスクユニオンジャズCD売場で、上記4作品をすべて発見・購入することができた。新品CDなので、基本的にジャズ・オヤジと先陣を争い、見つけた瞬間0.00000001秒後に取得するなどという緊迫した取引はない。しかし、Barney Wilenの作品については、見つけたとき残り1枚しかなかったので、これは見つけた瞬間0.00001秒後に取得するという、若干の緊迫した取引となった。

 Jazz the Best Japan Jazz Historyシリーズをディスクユニオンで買った場合、ディスクユニオンだけの特典がある。このシリーズのCDをディスクユニオンで3枚買うと特製グラスが、15枚買うと特製置時計が、それぞれもらえるという特典である。この日このシリーズのCDを3枚買ったためグラスをもらうことができた。

 そういうわけで狙いの品を買って満足して帰宅しそうなものだが、実はまだ満足というわけではなかった。実はまだ狙いのCDがもう一枚あった。それはParis Match "Passion8"である。私はParis Matchという日本のAORのユニットがとても好きで、CDが発売されるたびに買っている。昨年2月にCDを出し、そのことはこのブログにも書いている。それから1年4か月ぶりに新作を出す。
 私はつい先頃、Paris MatchのヴォーカルのミズノマリがソロCDを出したので、それを買ったのだが、ちょっと私が期待したものとは違った。そのため、このParis Matchの新作にはとても期待していたのである。

 Paris MatchのCDを買うためHMVに赴く。1階のJ-Pop売場に行くと、さっそくParis Matchの新作を聴けるブースが設置してあって、そこに何十枚もCDが置いてある。Paris Matchの新作に関心のある女の子が試聴している。やはりParis Matchの人気はたいしたものだと思う。オリコンのベスト10に入るという性質のものではないが、上質のPop Musicを必要としている人にとってはmust itemだと思う。

 このCDを視聴してみると、やはり期待を裏切らない上質なPopsであった。そういうわけで、そのCDが何十枚も置いてあって全く緊迫した取引の場面ではないにもかかわらず、感激して試聴した0.00000001秒後にはそのCDを入手してレジに持って行き買ってしまった。帰宅して聴いてみるとまた感激。相変わらず格好よくそして美しい。このCDについては日を改めて記述したい。

 Paris MatchのCDを買って気分を良くした私は、よせばいいのに引き続いてHMVのジャズCDの売り場にも行ってしまう。ジャズCD売場をぶらぶらしていると、Jay Epstein "Easy Company"というCDが目に入る。Jay Epsteinといえば、いわゆる「レア本」で希少盤として紹介され、そして数年前の再発によりそこかしこの中古屋に在庫が見られるようになった"Long Ago"でいっぺんに有名になったジャズ・ミュージシャンである。今回の作品は、その"Long Ago"と同メンバーでの吹き込みである。日本でのレア本人気を当て込んでの同メンバーでの吹き込みであることは火をみるよりも明らかと思うがどうだろうか。
 それはそれとして、「ダースベーダーのテーマ」などを演じており、色ものアルバムかとも思われたが、試聴機で聴いてみるとその心配は一蹴された。なかなか硬質なジャズに仕上がっていてこれは聴ける。そういうわけで、こちらも買っていくことにする。

 この日は狙っていたCDをすべて手中に収めることができた。一年に何回かこんな風に欲しかったCDがドバッと出てそれを大人買いするという日がある。欲しいCDをドバッと買うことができて、本当に大人になってよかったと思う。

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2009年06月21日

6月20日の猟盤

 この日新宿に用事があったため、ついでにディスクユニオン新宿ジャズ館に寄っていくことにする。

 まずは2階の中古CD新入荷フロアに行ってみる。この日土曜日ということもあって結構人が多い。狭いフロアの中に10人近くいるだろう。

 この日武田和命「ジェントル・ノヴェンバー」が2100円で売っているのを見つけた。この作品の再発予定が当分ないのならこれを買うことで決まりだが、この作品、6月24日に音質が良くなって2500円で再発されることが予定されている。そうなると、中古で2100円出すのがアホらしくなってくる。そういうわけで武田和命はパスする。

 ピアノの棚を見ていると、Bill Evansの作品ではないが、どういうわけかBill EvansのところにStefano Battaglia "Bill Evans Composition vol.1"が売っている。
 1680円であり中古CDにしては若干高いと思うが買うことにする。"Time Remembered"や、"Re Person I Knew"という、Evans作曲の典型作品にして私の好みの作品のみならず、"Interplay"とか、"My Bells"など、滅多にお目にかからない作品も収録していたからである。
 いつかvol.2の方にお目にかかるのが楽しみである。もしお目にかかりそうもなかったら、2枚組で現在出ているのを買ってしまおうか。

 同じくピアノの棚を見ているとBud Powell "Time Waits"をみつける。世界的ジャズ評論家である油井正一大先生が、Bud Powellの論評をする際に必ず出てくる作品である。"Bud!"がよくてそのあとの"Time Waits"が悪く、その次の"The Scene Changes"でまたよくなる、というように、このころのBud Powellの調子が作品によって変動していたという話を油井氏が出すときに引き合いに出されるのがこの作品である。
 そういう話が出ると、これは駄作のように思えるが、この作品が初めてCD化された時のスイングジャーナルの評点は5星を満点とした4.5星であって、決して悪くない。

 続いて他の棚をみる。”Jazz at the Massey Hall”が840円で売っている。こうした歴史的名盤が840円で手に入るようになったのだからうれしいものである。この日中古CD3枚で10%オフをやっていたので、3階の方にもしめぼしいものがなければこれを買おうかと思う。そういうわけで、2階で見つけたCDとともに3階でCDを買いたい旨を告げ、店員さんに2階で見つけたCDを持ってもらって3階へ案内してもらう。

 この日3階もまた人が多い。通常10人もいないようなところに倍近い人が入って熱心にCDを見ている。しかも、この日ジャズ・オヤジとも言うべき50代位のオッサンが少なく、20代〜30代位の人なんかも結構熱心にCDをみている。私も20代からジャズを聴き始めた。何となく昔の私をみているようである。ただ、決定的に違うのは、私がまだ20代だったころは、今ほどジャズの作品がCD化されていなかったことである。私が20代だったころは、あれがCD化された、これがCD化されたと騒ぎになっていた時代である。

 3階でめぼしいものをみつけられなかったので、2階にもどって”Jazz at the Massey Hall”を買おうと思う。ところが、2階にもどってこれがあった棚を見てみると、店員が棚の在庫をずらして移動させてしまったらしく、この作品が見当たらない。この作品、そう簡単に売れるわけがないので、その裏の棚を見てみると、やはりちゃんと置いてあった。こういう、古典的な有名盤は、ジャズ初心者が初心者用ジャズ案内本に書いてあるのを見て何も知らずに買うか、それともジャズのヴェテランの人が温故知新とばかりに買っていくか(そんなわけないか)、いずれかであろう。無論私は後者のつもり。
 ちなみにこの作品、菊地成孔=大谷能生「東京大学のアルバート・アイラー 東大ジャズ講義録・歴史編」(文春文庫・2009年)118ページ以下にも紹介されている。当時すでにアメリカでは「ビ・バップ」が過去のものになりつつあるが、依然としてカナダ・フランス・日本などで「コスモポリタン」としての音楽としてモダン・ジャズが伝播して大受け(この作品もカナダでの演奏である。)し、その一方で「ビ・バップ」から出てきた大きな流れとして「ハードバップ」がある、という文脈で紹介されている、と理解している。

 そういうわけで、上記3枚のCDを買うことにする。3枚買ったので10%オフの特典がついている。
 この店は買う前に検盤をさせてくれる。特に傷などの問題はなかったが、1枚だけ表面に指紋がべたべたとついていたので一応こんなものを客に売るのかと文句だけは付けておく。表面だから文句をつける程度で済んだが、裏の鏡面に指紋がべたべたとついていたら値引きさせるところである。
 それはそれとしてこの日CD3枚で3213円であった。20年前、新品CD1枚が3200円だったころを考えると、中古であるとはいえ昔の新品CDの値段で3枚もCDが買えるかと思うとうれしい。ジャズ中古CD漁りは、他の趣味と比べてとにかく金がかからないと思う。そりゃこの不況時代、CD屋に来る客が増えるわけである。

 6月24日には、”Jazz the Best Japan Jazz History”シリーズが出る。また、同日、私が好きなParis Matchの新譜も出る。そういうわけであまりこの日は無駄遣いできない。昔の新品CD1枚分の値段のCDを買ってこの日の猟盤を終えることにする。

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posted by goiss at 22:08| 東京 曇り| Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月18日

6月17日の猟盤

 6月17日水道橋に用事があって出かける。その帰りにいもやに寄っていく。さすがに午後7時過ぎだと、昼間のいもやのような殺伐とした雰囲気はなく、のんびりとした感じである。
 相変わらず600円で出されるてんぷら定食としてはおそらく日本で最高のものを出してくれる。ここではカウンターに2種類の漬物(たくあんときゅうり)があって、自由に取ることができる。私はたくあんが嫌いで、きゅうりの方が好きなのだが、この日私の席の前のカウンターにおかれていたのはたくあんではなくきゅうりの方だったので何かうれしかった。

 いもやでおなか一杯になって気分がいいので、ついでにディスクユニオンお茶の水ジャズ館に出かける。さすがに水曜日だけあって週末とか金曜日とかに比べると客は少ないが、それでもそこそこの数の客はいる。
 例によってまずは新入荷の棚を見る。すると、Fred Harsch"Evanessence:tribute to Bill Evans"を見つける。私はゴリゴリのEvans原理主義者(?)で、EvansはOne and Onlyのアーティストだと思っているから、Evansのイミテーターとか、「エヴァンス派」という言葉が大嫌いなのである。そういうわけで従来私はBill Evansのtributeものにはあまり興味はなかった。Evansの個性で光る演奏や曲に他のミュージシャンの手あかがつくのが嫌だったのである。

 しかし、Fred Harschの清浄で端正、かつところどころジャズの毒を満載したピアノを実は私は結構気に入っている。この人のピアノ、一見美しそうに見えるが、聴いているとなかなか一筋縄ではいかないことがわかる優れたピアニストだと思う。そうなると、Evansのtributeものを出してもまぁいいやとは思う。ただ、私はこの人の作品をまだ2枚しか聴いていないので、あまりえらそうなことはいえない。
 また、Bill Evansの曲で私が結構気に入っているもの、例えばTime Rememberedとか、My Bellsとかが入っている。

 そういうわけで、この日これを買ってみることにする。このCD、1860円とディスクユニオンで売っている中古CDにしては大分値が張る。しかし、これはすでに廃盤であまり見かけないものであるからまぁいいやと思って買うことにする。

 あまり見かけない作品であって好みに合いそうなものは、見つけた瞬間にこれを買うと決めて買わないと、後々後悔する。逆にいえば、CDを買うときには、「これを買い逃したら後々後悔しないか」と常に自問自答することにしている。そうした作品を厳選して買っているので、最初あれもこれもと10枚くらいカゴに詰め込むが、買うときは1〜3枚程度におさまっている。

 他の棚をぶらぶらと漁ってみるが、特に惹かれるという品はなかった。Charlie Parker "Complete Royal Roost Live Recordings vol.4"や、"Jazz at the Massey Hall"がまだ売れ残っていて、安いので(840円)、買おうと思っていたが、すでに1860円のCDを買っているので止めにした。

 続いて3階の新品CD売り場に行ってみる。Stefano Caniato"Henry's Tune"が売っている。例の、子供のあどけない顔がどアップで写っているやつである。どうも再入荷したらしい。スタンダードの他、著名ミュージシャンのオリジナル作品が並んでいて、曲目的にはよさげである。

 ただ私はこの作品を、入荷予定のKenny Barronの作品とともにすでにvento azulに注文しているのでここでは買わない。他特に関心がある品は見当たらなかったので、この日は新品CDは買わない。6月下旬になると、またUniversal Jazz & Classicから、日本ジャズ作品の再発が続々とあり、その中に私が欲しいものも結構あるので、それを買うために無駄な金を使わないようにする。

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posted by goiss at 21:31| 東京 霧| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月14日

6月14日の猟盤

 この日久々に渋谷に猟盤に行ってみるかと思う。お茶の水や新宿と比べると渋谷は猟盤的に魅力はない。中古CD屋がそれほど多いというわけではない。あっても渋谷のディスクユニオンはR&B売り場やアナログLP売場と中古CD売場が併設なので、狭くて商品をみにくいし、商品がさほど多いというわけではない。

 しかし、ここにはマザーズレコードというブート屋があって、ビル・エヴァンスのブート盤CDを取り扱っているため、半年に一度くらいはここをのぞいてエヴァンスのブート状況を確認するのが適切である。直近では昨年の9月3日にここにのぞきに行って以来ここには行っていないので、久々にここに行ってエヴァンスのブート状況を確認してみる。また、渋谷のディスクユニオンでは、思わぬ商品を発見することがあって、穴場と思われる。そういうわけで、久々に渋谷に行ってみる。

 私は渋谷をそんなに好きではない。街並がごちゃごちゃしていているし、若い人がうじゃうじゃいて何となく落着きがないからである。そういうわけで渋谷にはあまり行かない。この日まずは渋谷のディスクユニオンに行ってみるが、場所を一瞬度忘れした。土地勘があるのでしばらくその辺をぶらぶらしたら店を発見することができた。

 地下にもぐってディスクユニオンのジャズCD売場へと行く。ぶらぶらと棚を見ていくうちに徐々に客が増えてきたため落ち着いてCDを見られない。
 
 私がCDを見ていると、隣に若者がピッタリとくっついて、私の見ている所のCDを見ようとする。さすがにムッとして一喝しようとしたが、そのとき若者は私から離れて他の棚へと向かったので事なきを得る。
 それはそれとして、そいつは若いのにジャズCDを実に熱心に探している。ジャズ・オヤジばかりでなく、若い人もこんなに熱心にジャズCDを探すものだなぁと思った。場所柄かジャズCD売り場にも若い人が多い。

 この日ここで買うことにしたのは、Mike Nock "Not We But One"である。Mike Nockはなかなか美しいピアノを弾くオーストラリアのジャズ・ピアノの大御所だが、その作品をあまり見かけないと思う。この作品も、そんなに頻繁に見かけるというものではない。にもかかわらず、840円で売っていたので、これはお買い得とばかり買っていく。どうも最近、1000円を切らないと中古CDを買う気がしない。

 次に向かったのがマザーズレコードである。ロックや一部のジャズのブートCDを取り扱う店である。ブート盤だけあって値段は高い。ジャズジャーナリストの中山康樹が書いた「マイルスを聴け」や「エヴァンスを聴け」に収録されているブート盤は、ここに売っていることが多い。

 この日はBill Evans "My Romance in N.Y."を買うことにする。昨年ここで売っているエヴァンスのブートはほとんど買いつくしてしまい、もう新入荷のエヴァンスのブートはないかと思っていたが、たまにこの店に来てみると、やはり1作位は新しいのが出ているものだ。

 このCD、例によってエヴァンスのブートを出しているCool Jazzというところから出されている。このCool Jazzというところ、Styleというレーベルとエヴァンスのブート盤で2分するレーベルである。
 この作品は1977年のものだが、ベーシストがChuck Israelsになっている。1977年といえば、エヴァンスがEddie Gomezと最後に"You Must Believe in Spring"を吹き込んだ年である。そこで、この作品が吹きこまれた時点ではもはやEddie Gomezはエヴァンスとは演っていなかったのだろう。おそらくその当時パーマネントに組むベーシストがいなかったので、Chuck Israelsに暫定的に声をかけたことは容易に想像がつく。しかし、Chuck Israelsと別れて10年以上もたって再び一緒に演っている作品が出てくるとは意外であった。

 これだけ買って帰宅してもよかったが、通り道なので銀座山野楽器でも見ていくかと思ってそこに赴く。すると、店頭で再発されたブルーノートのCDを売っている。平凡社新書の「ブルーノート100名盤」のランキング1位から50位までの作品を1100円で再発したものである。

 これは、池袋だるまやあたりで中古盤を買うよりずっと得だわいと思った。他方このシリーズのCDには、ボーナストラックは収録されていない。したがって、このシリーズのCDを買うなら、もともとボーナストラックがないものを買うべきである。

 そういう観点からこの日買うことに決めたのが、Horace Silver "Horace Scope"。かつてラズウェル細木の漫画で、ラズウェルの弟子が「ニカの夢」が入っている代表盤は何ですかとラズウェルに聞いたところ、「Horace Scopeに入っているが、現在入手困難なので、CBSのジャズメッセンジャーズに入っているものを聴きなさい」とラズウェルが答える場面があった。そうした入手困難盤が、今や1100円で入手できるのである。時代は変わった。

 また、この日ジャズCD売り場内でかかってたのが、Tonu Naissoo "you stepped out of a dream"であった。この人エストニアのジャズミュージシャンらしい。アトリエ澤野から出ている。それにしてもこのアトリエ澤野、次から次へとこうしたミュージシャンや作品を引きずり出してジャズ・オヤジの渇きをいやす。何ともすさまじいレーベルである。

 そういうわけで、この日久々に大散財したかなぁと思って帰宅する。なかなか充実した猟盤がこの日もできてよかった。

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2009年06月12日

6月11日の猟盤

 6月11日猟盤に行ってみる。今回はディスクユニオン御茶ノ水ジャズ館である。ほかの中古CD屋も開拓してみたいのであるが、値段と量と品揃え、および広範な地域分布という観点からすると、やはりディスクユニオンということになろうかと思う。
 レコファンも私が中古CDを渉猟し始めた1990年代初期はディスクユニオンの好敵手として存在したが、現在一般中古CD屋としての位置付けであり、「ジャズの品揃えの良い中古CD屋」としては存在するものの、「ジャズ専門中古屋」としての機能はもたない。

 そもそも、ジャズCDの利ざやはジャズLPのそれよりもはるかに薄いと思われるため、将来的にジャズ中古CD屋が商売として成り立っていくのかどうか。ジャズ中古LPを販売する片手間でもいいから存立してほしいものである。

 それはそれとして、まずは2階の中古CDフロアへ行ってみる。平日夜というのに、意外と客が多い。
 
 一人気合の入ったジャズ・オヤジがいて、新入荷の棚をなめるように見回している。どういうわけかこうした気合の入ったジャズ・オヤジが意外と多い。
 このオヤジ、予想通り自分の見ている棚のほかの棚の前にかばんをおいてCDをなめるように見ている。どういうわけかジャズ・オヤジにはこの手の常識の無い手合いが多い。かばんをそこらへんにおいてCDを見ると、ほかの客がCDを見るときそのかばんが邪魔になって見づらい。50過ぎて常識がないのが結構いるものである。
 「おっさんこのカバン邪魔」と言おうとした直前に、そのジャズ・オヤジがカバンをどかしてレジで精算を済ませたので、「おっさんカバン邪魔」と申し向けずに済んだ。

 ちなみに、他のジャンル、例えばロックとかソウルとかのフロアだと、そういう常識のないジャズ・オヤジみたいなのはいない。ジャズは特別である。ジャズを聴く「オヤジ」には常識がないのが多いのだろうか。全く最近の年寄りにはろくでもないのがいる。「いまどきの若い者は」ということが、エジプト文明ないしメソポタミア文明のころから言われているようだが、それに対しては「いまどきのオヤジは」「いまどきの年よりは」ということも、自信を持って言い返せると思う。

 この日ジャズ・オヤジは結構いたが、その反面20代くらいの若い人も結構いた。私もジャズを聴き始めたのは20歳前後(というより高校生くらい)だったので、20代の人がジャズを聴いていてもまったく不思議ではない。行儀が悪くて常識の無いジャズ・オヤジたちにくらべれば、若い人たちのほうがはるかに店でのマナーが良い。

 新入荷の棚のところでまず目に付いたのが、Dave Brubeck "Impression of Eurasia"である。Dave Brubeckの盤、あちらこちらで売っているように思えるが、この盤、日本盤ということであれば、意外と品薄なのではないかと思う。無論輸入盤であっても内容に違いがあるわけではないので輸入盤を買ってもいいのだが、日本盤だと日本語のライナーノーツが書いてあって楽しめるので、この際買うかと思う。値段も1365円と、もう一声、という感じはするもののまぁまぁの価格である。
 それにしてもこのアルバム、パンナムの飛行機があしらってあって、実に時代を感じさせる。このアルバムが出た頃、まさかパンナムがこの世から消滅するなんて誰も予想だにしなかっただろう。いわんや、GMがチャプターイレブンに突進するなんて、誰も予想しなかったであろう。50年前に予想できなかったことが次々と実現している。

 次に目に付いたのが、Felsted盤のColeman Hawkinsである。Felstedから出ている他のミュージシャンの作品はほとんど廃盤となり、結構入手が困難な盤であるが、Coleman Hawkinsのものだけは再発されたりして結構出回っている。
 Coleman Hawkinsだと、これにBluebird盤と、verveの「ジェリコの戦い」を備えておけばかなり楽しめるのではないだろうか。これも1260円で日本盤が売っている。これも値段的には、もう一声、という感じがしないでもなく、すでにDave Brubeckの上記作品を買うことに決めたので、どうしようかと散々考えた。これがもし1400円台だったら買わなかったかもしれないが、1200円台だったので、まぁいいかと思って買うことにする。

 この日新入荷の棚に、Barney WilenのIDA時代の作品が売っていた。"French Ballads"と、"La Note Bleue"である。この作品は日本盤・輸入盤のいずれも廃盤である。
 これらの作品は、廃盤CDセールになるとだいたい3000円を超える値段で売っている。これに、"Wild Dog of Luwenzori"を加えると、「Barney Wilen高値3部作」がそろう。それがこの日、French Balladsが2500円、La Note Bleueが2100円で売っている。Barney Wilenは確かに渋いサックス奏者として人気はあるが、特に希少という感じのものではなく、注意深くみていると時々見かけるものであるので、まぁ相場としてはそんなものだろう。ただ、私はこれらの盤をもっと高値で買ってしまった。とりわけBarney Wilenのファンというわけでもないので、今回スペア盤として買うことはしない。これらの盤を渇望している人が見つけて感激することを祈る。
 ちなみに、上記二作品だと、2000円台で売っていることもあるのだが、どういうわけか"Wild Dog of Luwenzori"だけは4000円台以上で売っていることが多い(但し私は以前日本盤を3000円台で入手したことはあったが。)。

 その後アルトサックスの棚をみてみる。Charlie Parker "Royal Roost Live Recording vol.4"が、未だに840円で売っている。この作品をvol.3まで買ってしまった私は何なのだろうかと思う。
 ついでに、"Jazz at the Massey Hall"も840円で売っているのを見かける。ジャズ・オヤジはすでにこうしたものを聴いてしまったのだろうか。私はまだ聴いたことがない。実はジャズ・オヤジの中には、超有名作でありながら、聴いたことがない作品が結構ある、という人は多いと思う、というよりも、ジャズ・オヤジの大半を占めるのではないだろうか。そういう作品が840円で売っているのだ。

 この日これらを買ってしまおうかと気持ちがグラっときた。2枚買っても1680円である。1680円で歴史的名作を買って至福の時を過ごせるのだ。いわゆる「レア本」掲載のCDを高値で買って、それが好盤として楽しめるかどうかわからない、という状況よりも、ずっと鉄板である。しかし、これらの作品、今すぐ買わなくてもどうせ売れないだろうし、仮に売れても他で調達可能なので、この日の購入は見送る。

 そういうわけで、この日Dave Brubeckの作品と、Coleman Hawkinsの作品を買う。さらに3階の新品CDフロアも見ていく。関心のある品はいくつかあったが、新品CDは値が張るので大量に買うのは躊躇する。新品CD1枚で中古CD2枚買えるくらいの感じである。ただ、Jazz the Best日本ジャズヒストリーの中で、いくつか欲しい作品はある。まだ売り切れる感じではないので追々買っていくことにしよう。

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2009年06月10日

朝聴くジャズ

台場にて執務するようになってから朝が早くなった。もっとも法律事務所で執務していた時は午前10時とか10時半ころの出勤だったからそちらの方が問題なのだが(しかし、午前1時とか2時の帰宅なら、そのくらいの出勤時間でもいいよね)。そうすると、比較的早起きになる。午前6時半ころに起きていることもある。そうすると、結構ジャズを聴く時間もできる。

そこで、「朝聴くジャズとは何か」が問題となる。「夜聴くジャズ」であればいくらでも思いつく。否、ジャズの大半は夜聴くのに適しているのかもしれない。しかし、「朝聴くジャズとは何か」と正面切って聞かれると、「ウッ」と返答に困る向きが多いと思う。あるいは「ジャズなんか朝に聴くもんじゃねぇ」という、至極まっとうな切り返しをする向きもあろう。

しかし、私みたいにジャズを20年以上も聴いていると、朝であろうが夜であろうがジャズを聴いてみたいと思うのである。そうすると、じゃぁ夜聴くジャズを朝聴いても問題ないのではないかという向きがあるだろうが、朝聴く場合にはそのあと仕事に出かけなければならないという問題点があるので、これをクリアするジャズという意味で、「朝聴くジャズとは何か」が問題になるわけである。

一昨日はPhil Woods "Alive and Well in Paris"、すなわち「フィル・ウッズ&ヨーロピアン・リズム・マシーン」として知られる作品を聴いた。この作品は、矢野顕子がジャズ批評で「これなんでございますよ」と取り出して、朝聴く(効く)ジャズとして紹介していたものである。なるほど1曲目アグレッシブでシャキっとしそうな感じの曲想である。

昨日はKenny Drew "Dark Beauty"を聴いた。これもいかにも夜という感じであるが、1曲目の"Run Away"がなかなかノリがよく、朝に聴くにはなかなかいい感じである。

本日はMiles Davis "Milestones"を聴く。Milesの作品は夜向けのものが多いと思うが、このアルバムはノリのよい曲が多いため、比較的朝向けかと思った。

そう考えると、どうも朝聴くジャズを「ノリのよさ」一発で選んでいる風があるが、それでいいかという問題はある。今後も試行錯誤をしながら「朝ジャズ」を聴き続け、引き続き検討結果をアップしていきたい。

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2009年06月08日

6月5日の猟盤

 この日猟盤にでかけてみるかと思う。すでにターゲットは決まっていて、それはNorma Douglas "The Dynamic Miss Douglas"である。
 20年位前に、ジャズ批評のピアノジャズ特集があって、そこにピアノをあしらったジャケットのグラビアがあり、そこでこの作品が取り上げられていたので記憶に残っていた。それが今般LP TIMEから発売されることになり、「よもやこれまで発売されるとは」と信じられない思いであったが、しかし発売されることとなったのは事実なので、これは買いだと思って猟盤に出かける。

 それにしてもLP TIME、よくもまぁこういうレアな盤を見つけては復刻するものである。むろんそのターゲットはコアなジャズ・ファン、とりわけ日本のジャズ・オヤジであろうが、それにしてもここのラインアップは、相当的を絞っている。否、実はジャズ・ファンにターゲットを絞っておらず、実は、単に「社長の趣味」で出しているだけかもしれない。

 そして、このLP TIMEのラインアップには相当の偏りがある。すなわち、このレーベルのラインアップのジャケットがすべて美しい、ということである。とりわけ美女ジャケが多い(むろん例外はあるが。)。このレーベルがCDの再発を始めてからしばらくたち、再発作品も相当な数になってきたが、その傾向は顕著である。

 ただし、そのいずれも結構レアな作品であるため、それほど数ははけないと見込んでか、一枚当たりの値段は高い。今回のNorma Douglas盤も、2720円である。輸入中古CDの価格としては、最近のものとしては比較的ベラボーな部類に入る。しかし、昔日本盤のCDが1枚3200円していたころと比べると、まぁ安いものかと思う。

 そういうわけで、この日ディスクユニオン新宿ジャズ館へと赴く。この日新宿に寄る用事があったので、そのついでというわけである。

 この日特に中古盤に目当てがあるわけではない(というよりも、そもそも中古盤については何か目当てがあっていくというわけではないのだが)ので、一応何か興味深い品はないかと思って2階と3階の中古ジャズCD売場を見てみるが、特に興味深い品はなかったので、ここはあっさりと退却する。

 そこで次に1階の新品CDフロアに行って、上記Norma Douglasの作品を見てみる。最初新品新入荷の棚を見てみるが、陳列されていない。「これはひょっとしたら売り切れてしまったのだろうか」と焦る。新品新入荷のCDを即座に発見できないと何となく気持ちが落ち着かなくなる。この手のCDは爆発的な人気はないのですぐ売り切れることはないだろうと思いつつも、この手のCDはさほど大量に生産しているわけではないので、すぐ売り切れてしまうだろうという思いがある。

 そういうわけで、ピアノCDの棚を見てみるが、このCDやはりなかった。LP TIMEのCDにはヴォーカルのものが多いので、こちらの棚に目をやってみて、やっと発見することができた。この作品、どうもピアノというよりは、ピアノ弾き語りのヴォーカル作品として位置づけられているようだ。まぁ現在の若いディスクユニオンのスタッフに、20年くらい前のジャズ批評を押し付けて、「ジャズ批評のピアノ特集に載ってたんだからピアノの棚に置け」と迫っても無駄であろう。

 そういうわけで、この盤を見つけるのに若干焦ったもののこれを見つけることができたので、喜んでディスクユニオンを後にする。それにしても、こういう盤をCD化しないなんて、いったい日本のレーベルは何をやっているんだ。もっとも、ミューザックとかバウンダリーのように、時折「うぉっ」と度肝を抜くようなCDを復刻させているところもあるにはあるのだが。

 こうした希少盤CDはそんなに売れるものではないので、商業ベースで復刻させるのはリスキーなのだろう。こうした希少盤CDは、大手音楽企業による復刻は相当無理なので、その道のレーベルが粛々とやっていくしかないのだろう。そして、その役割分担としては、世界的規模の分担として日本の企業ではなく外国の企業にやってもらう、というのもアリなのかもしれない。

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posted by goiss at 07:56| 東京 霧| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月02日

5月30日の猟盤(2)

 秋葉原でCDをみたあとお茶の水で猟盤をしようと思う。そのときお腹がペコっと空いてきた。お茶の水近辺で食事をするとすれば、「いもや」をおいて他にはない。そういうわけで、石丸電気soft3を出てからしばし歩いて都営新宿線小川町駅で地下鉄に乗って神保町駅で降り、いもやへと向かう。

 私がいもやに入ったときはまだ夕方になったばかりのころで、客は3人くらいしかいなかった。しかし徐々に客が増えてきて、あっというまに8人くらい座れるカウンター席は満杯になる。いもやにはカウンター席しかないので、それは店が満員になったことを意味する。天ぷら定食に関してはいつもどおり言うことなしで、600円で食べられる食事としては日本で最高水準のものを出してくれる。いもやで食事をして中古CD屋でCDを漁り、そして自転車に乗ることを楽しみとするのであるから、なんとも私は安上がりな人間である。

 いもやでお腹いっぱいになったあと、例によってディスクユニオンお茶の水ジャズ館へ行く。まずは2階の中古CDフロアへ。この日買おうと思っていたのはジョニー・グリフィンのCDである。この日セロニアス・モンクの「ミステリオーソ」を聴き、ジョニー・グリフィンの黒く太くてよく歌うサックスを、しみじみといいなぁ〜と感動し、適当な作品があれば買っていこうかとおもっていたのである。

 案の定、ジョニー・グリフィンの棚を見ると、「ケリー・ダンサーズ」が840円で売っている。しかも未開封である。もともとの値段が1100円なので、840円というとあまり値引き感はないが、中古CDとしてはかなり安い部類に属するので、これはゲットする。希少盤という感じではないので、見つけてから0.001秒程度でゲットすれば足りる。

 それにしても、新品CDがこうも安くなると、中古CD屋は商売にならないだろう。LPは希少価値がますますでてきたので安くならないのに対して、CDは価格破壊がかなりすすんできて、HQCDとか何とかCDとか何かと付加価値をつけないとまともな価格にならなくなってきている。新品CDが安くなるものだから、中古CDもますます安くなる。小さめのジャズ専門店がCDをやりたがらないわけである。

 ついでにビル・エヴァンスの棚を見ると、verveから出ている"Live"を売っている。これもまた840円である。そういえば、Bill Evanのverveの作品で、どういうわけかこれはもっていなかったなぁと思い、値段も安いので、こちらも買っていく。どうして今までこれを買わなかったのだか不思議である。
 この作品は、ベースがチャック・イスラエル(正しい発音は「イズリールズ」らしい)の時代のものである。スコット・ラファロのものに比べると、突込みが足りないとか色々いわれているが、要は無難な普通のベースであり、インタープレイ云々とか刺激云々とか、そういう難しい評論家みたいなことを言わなければ、普通にお薦めできる佳作だと思う。
 「レア本」掲載の作品を何千円も出して1枚だけ買うなら、この当たりの作品を何十枚も買って楽しんだほうが、コストパフォーマンスという観点からは圧倒的に得である。もっとも、趣味というものは、コストパフォーマンスでは図れない世界なのだが。

 それはそれとして、チャーリー・パーカーの棚を覗く。相変わらず「コンプリート・ロイヤル・ルースト・ライブ・レコーディングス・オン・サヴォイ」が売れ残っている。当然のことであろう。ディスクユニオンのジャズ・オヤジに、「あなたが最近聞いたチャーリー・パーカーのアルバムは?」と聞いたら、「いやぁちょっと・・・・」と言いながらその場から姿を消すであろう。
 チャーリー・パーカーほど、歴史上の評価と実際の人気が乖離しているジャズミュージシャンはいないと思う。それもそのはずで、チャーリー・パーカーの複雑すぎて鋭すぎるアドリブは、対峙する位の感じで相当集中して聴きこまないと、狐につままれたようになってしまい、結局よくわからなくなるからである。
 そこで、売れ残っているこのアルバムのうち、vol.3を買って行く。こちらも840円。このアルバム、曲の合間合間に入るアナウンスが結構うざったいので、アナウンスは飛ばして聴くことにしている。

 この日中古CD売り場で買ったジャズCDは全部840円。3枚で2520円である。この値段で売っている中古CDだってある。何というか、非常に得した気分。

 続いて3階の新品CDフロアへと赴く。まず入り口入ってすぐのところにある新入荷CDを見るが、特に関心のある作品はなかったので、ピアノの棚を見る。

 ビルエヴァンスの棚を見ようとするが、ジャズ・オヤジがカバンを置きっぱなしだったので見づらい。そこで、このカバンに蹴りを入れてどかそうかとも考えたが、それはあまりに大人気ないので、そのジャズ・オヤジに「カバンじゃま」と申し向けてカバンをどかさせる。
 ディスクユニオンに出入りするジャズ・オヤジには、こうした常識のない手合いが結構多い。50過ぎて常識がないのだから、一体どういう教育を受けてきたんだろうか。日本では儒教思想があって、年長者を敬えなどといわれているが、そんなのは全く当てにならないことがよくわかる。要は年齢ではなく人間そのものなのだ。

 アホなジャズ・オヤジにカバンをどかさせてビル・エヴァンスの棚を見ると、"The Complete Triple Play"などというCDを見かける。Bill Evansに、Eric Dolphy、Fredie Hubberd、Wayne Shorterなどというミュージシャンが競演する空恐ろしい組み合わせである。ベースがRon Carter。Benny Golsonのアレンジである。
 ビル・エヴァンスというと、例の4部作に代表されるインタープレイがどうのリリシズムがどうのという評判ばかりが先行しているが、実はそうではなくて、有能なセッションミュージシャンとしての一面を持ち合わせている。ビル・エヴァンスには、その人ならではの強烈な個性を持ち合わせているが、それと同時に何をやらせても高い水準のものを作ってしまうという、一種天才的なところがあったのである。ただ、それが当人にとって幸せなことだったかどうかはわからない。しかし、金にはなっただろう。
 そういうわけで、リーダー作に見られるようなビル・エヴァンスの個性を期待することはないが、それでも我が最愛のピアニストが前面に出たアルバムとあっては買わざるにいられない。2300円ではあったが当然のことながら買っていく。

 この日はなかなかいい買い物をしたと思う。この日新宿の八月社に行ってみる予定だったが、ここまで買ったらもういいやと思う。そういうわけで満足してお茶の水を後にする。

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posted by goiss at 21:47| 東京 晴れ| Comment(4) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月01日

5月30日の猟盤(1)

 5月30日猟盤に出かける。先週新宿方面に猟盤に出かけたので、今回は秋葉原〜御茶ノ水方面である。とりわけ、秋葉原方面には久しく出かけていないので、石丸電気soft3に何か面白い新入荷CDはないかと期待して出かける。

 まずは秋葉原のタワーレコードに出かけてみる。CD1枚1000円のワゴンセールをやっていて、ジャズ初心者にはかなりお得な買い物と思われた。タワーレコードでElvin Jones "Live at the Light House"が入荷しているかどうかを確認するためElvin Jonesの棚を見ると、見事に売っていなかった。このCDは限定盤であるため、ひょっとしたらこのタワーでは売切れたのかもしれない。そういうわけで、次に石丸にこれがあるかどうか確認しにいく。

 Elvin Jones "Live at the Light House"は、Blue Note LAを代表する名盤として知られているらしい。他方、この盤、LPでは久しく廃盤だったらしく、なかなかCD化もされずにいたため、きわめて入手が難しかったらしい。ラズウェル細木氏がジャズ批評に連載していた漫画にも、入手困難な廃盤として取り上げられていた。デーブ・リーブマンと、スティーブ・グロスマンという、なかなか強力なフロントが、これまた強力なエルヴィン・ジョーンズのドラムスにあおられてアグレッシブな演奏を繰り広げるという、なかなか魅力的な盤である。長年にわたりCD化が待望されていた盤らしい。

 この盤、1993年ころに輸入盤でCD化されたことがあった。これはボーナストラックを含んでvol.1 とvol.2の2枚で出された。私はこの盤に注目していたため、これが出るや否や即座に取得した覚えがある。
 その後数年して、紙ジャケで日本盤が出された。ただし、日本盤には、ボーナストラックは入っていないため、輸入盤のようにvol.1とvol.2の形になっておらず、1枚となっている。また、この日本盤は、限定盤として出された。この盤従来入手困難だった割には人気が高かったせいか、日本盤は早々と売り切れた。また、輸入盤も比較的早めに廃盤となった。従って、このCD、日本盤も輸入盤も永きに渡り希少廃盤としてもてはやされ、廃盤CDセールでは常時高値がついた。

 そうした盤が、ついにボーナストラックを伴った完全盤として、5月27日に販売になったのである。輸入盤ではなく、日本盤でボーナストラック付きのものは初めてである。
 
 20年程前のCDの再発にあっては、未発表のレコーディングがある場合には、これをボーナストラックとして収録することが通常であった。これが、オリジナルのフォーマットにこだわる評論家の先生方やジャズ喫茶のオヤジたちから不評で、その後の再発に関しては、(少なくともブルーノート・レーベルに関しては)ボーナストラックを伴わない形での再発もなされた(しかし、プレステッジなど他のレーベルでは、依然としてボーナストラック付きのものが多かった)。

 近時、再発の際にはボーナストラックをともなっての再発が再び有力になっている。いちセッションでの録音の中でお蔵入りになったものの中には、出来が悪くてお蔵入りになったものもあれば、LPレコードの収録時間の関係で泣く泣くお蔵入りになったものだってある。そうした録音は、収録メディアの限界まで一応収録して発表し、その評価は世にまかせる、というのがよいのではないか。オリジナルのフォーマットにこだわって、未発表の中の秀作が世に問われずに埋もれるのはもったいない。オリジナルのフォーマットにこだわりたければ、そこだけ聴けるようにCDプレーヤーを設定して聴けばいいだけの話である。

 それはそれとして、何か面白い新入荷CDがないかどうかを確認するついでにElvin Jones "Live at the Light House"が石丸にあるかどうかを、まずは石丸type3の5階に見に行く。すると、あるわあるわいっぱいある。タワーレコードには一枚も売っていなかったのがウソのよう。そもそも石丸に客がこなくて売れないために残っているのか(それはあまりにも悲しい。)、石丸には客は一応来つつもこの手の作品を購入する手合いはあまりこないのか(石丸の客層だと、それはありうる。)、タワーレコードが単に仕入れていなかっただけなのか(それはないだろうなぁ・・・・・。)、タワーレコードに好き者が集ってあっという間に売り切れてしまったのか(これはありうる。)。なんとも不思議である。

 一応私はElvin Jones "Live at the Light House"を完全盤で所持しているが、日本盤の方が音がいいこと(24ビットCD)、日本盤ライナーノーツがついていること、将来希少価値が出てきそうなことから、一応買っておく。2枚組で2800円という値段も、決して高くない。European Jazz Trioの新譜なんか一枚3000円だぜ。ぼったくりもいいとこ。

 続いて石丸type3の6階の輸入盤売り場に見に行く。特に買いたいと思う品はなかったのでここはすごすごと退散する。この日ジャズ・オヤジばかりではなく、30代位の感じの比較的若めの人も結構いた。結構なことである。私なんか高校生のころから聴き、もうジャズリスナー歴20年以上になる。石丸に初めて足を踏み入れたのも、もう20年以上前である。その当時に比べると、CD化された作品が本当に増えた。私が石丸通いを始めた頃は、アトランティックやインパルスの作品はまだCD化されていなかったのだ(従って、例えばコルトレーンの作品はその大半が未CD化という、恐ろしい時代。)。

(つづく)

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posted by goiss at 21:13| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする